ああ、やっぱりバースは伝説の神人なんだ。神人としての誇りを持ってる。誰よりも高い誇りを。そしてバースは優しいんだ。
「扉を転移させた事は気にしなくていい。あんなもんまた見つけて閉めればいいだけの事だし」
バースはヘウ"ンを真直ぐ見つめ、
「悪かったな。私が神書をあんなとこに置きっ放しにしたから、お前には辛い思いさせた」
真直ぐ見つめられたバースの目があまりにも綺麗で、そんな風に言われたらもっと罰が悪くてヘウ"ンはブンブンと首を勢いよく横に振った。それが面白かったのか、バースはふっと笑って立ち上がった。そして思い出したように口を開く。
「あ、そうだ。お前ちゃんと人間の姿に戻れるからな」
「本当!?」
「ああ、神書の力使えば元に戻れるだろ。それまではそのままだけど、心配すんな。ちゃーんと戻してやっから」
二カッと笑った顔は可愛いかった。その顔をヘウ"ンは思いっきり殴ったのだ。