神人

教会に戻ると、ナスカさんの部屋に行き扉や神書の事を話した。ジュリアさん達はいなかった。
事情を聞いたナスカさんは机の上で両手を組み合わせ、その上に顎を乗せる。
「扉が転移を…」
「すぐにどこに転移したのか探す」
バースの言葉にナスカさんは顔を上げた。
「ええ。私も他の神人に声をかけてみるわ。あとジュリア達はヘウ"ンを探しに行ってるから、見つけたら声かけといて」
「分かった」
そしてバースは部屋を出て行く。部屋に二人きりになったヘウ"ンに、ナスカさんは若干睨みつけるような表情をした。怖くて後退りしそうになった。
「ヘウ"ン」
「はい」
「貴方のやった事は重罪です。ですから、貴方には罪を与えなければなりません」
「はい…」
教会を追い出される覚悟でヘウ"ンはナスカさんの言葉を待った。ナスカさんから与えれた罪は、
「教会の掃除をしなさい」
「は？」
思わず間抜けな顔をしてしまった。だがナスカさんは、
「掃除。教会全部よ。終わるまで止めちゃ駄目。はい、やってやって」
強引に部屋を追い出され、ヘウ"ンは十分ほど廊下でぼーっとした。