その音にびくっと身体を震わせヘウ"ンは振り返った。
「猫?」
そう呟くのは、
「バース!」
思わず叫んでしまい泉に落ちそうになったが何とか堪えた。バースはこちらが喋れる事が分かり近付いてくる。
「聖獣か?猫の聖獣には初めて会うな」
「あ、あの…」
ヘウ"ンがヘウ"ンである事を伝えようと思ったが止めた。言ったら怒るだろうし、ショックを受ける。
扉が転移した事はすぐバレると思うが、自分の口から言うのが怖かった。
と、バースが猫のヘウ"ンの頭に置いた。
「ゆっくり呼吸して」
「え」
どうして、と聞き返そうと思ったが、それよりも早くバースが口を開く。
「目を閉じてゆっくり呼吸しながら私の名前を呼んで」
とりあえずヘウ"ンはバースの言う通りにした。