「・・わかった」


淳希の言葉に、ああ別れるんだなって思った。


「夢、叶えないと怒るから」


「ああ。美鈴もな」


「うん」


ゆっくり淳希から離れる。


体がどんどん冷えていくような気がした。


「帰るな」


「うん」


私は、淳希を玄関まで送った。


ドアがゆっくり閉まる。


私はとっさに叫んで、ドアを開け、淳希を捕まえた。


「淳希!」


「美鈴?」


背伸びして、淳希の首に腕を回し、キスをした。


この温もりも最後。


この落ち着く香りも・・すべて最後。