「美鈴」


私は淳希に抱きしめられた。


「・・っ、いや。離して!」


もがくけれど、淳希は離すどころか力を強めてくる。


「離してよ・・!」


「ごめんな」


淳希は急に謝りだした。


「あんな別れ方して、ごめん」


「ばか、ばかばか。淳希なんて嫌い、大嫌い!淳希なんて・・・」


私はポカポカと叩いた。


でも、淳希の温もりに包まれた私は素直で。


「・・好き、大好きなの。別れるとか言わないで・・んっ」


うそなんかつけない。


唇に温もりを感じながら、私はその温もりを何度も求めた。