麻美の優しさを感じて、私は深い眠りについた。


ダメな男。


そうかもしれないけど、それでも好きなの。


今でも好き。


せめて、せめて・・


ありがとうって伝えたかったなあ。


目を覚ますと、もう真っ暗だった。


電気がついてないせいか、辺りがぼやけて見える。


横を見ると、人影が見えた。


「麻美?」


本当に帰らずいてくれたんだ。


でも、違った。


「俺だよ・・美鈴」


私は何も言えなかった。


聞こえてきたのは、私の大好きな声。


昨日の冷たい声じゃない、優しい声。


「・・淳・・希?」