「で、それがおしゃれの理由?」

「うん・・・変?」


私と優子はディナーに来ていた。

異動になってから4日目になるが、エリス部長は会社には来ずに外で仕事をしているらしい。

そのせいで初日以来全く会わずに、明日でエリス部長に就くのは最後になってしまった。

せっかく見返してやろうと買ったスーツも見せずじまい。



「似合ってる。佳枝理、スタイルは良いほうだしね~胸を抜けば。」

「ちょっと、それを言わないでよ!」

「ついでに鼻も低い。」

「もー!!」

「嘘嘘。」

「冗談に聞こえないよ。美人の優子に言われたら。」

「ふふ。可愛い顔じゃない。あたしにはそんな可愛い顔できない。」

「褒められてる気がしないよ・・・。」

「週末、空いてる?」

「うん、特に用事はないけど?」

「じゃあ、買い物付き合ってよ。」

「また~?彼氏に付き合ってもらえば?」

「あんた正気?男とショッピングなんて考えられないわ。」

「どうして?好みとか分かるじゃん?」

「あたしは誰かの好みに染まるのは嫌。」

「そんなこと言って、髪型すぐ変わるじゃん。」

「あたしはあたしの居たいようにいる。

 それで好きになってほしい、だから男と別れたら、乗り越えるために新しい女になる。」

「相変わらずサバサバしてるよね・・・優子のそういったサバサバしたところ、好きだけど。」

「ありがと、佳枝理も買えば良いじゃん。洋服、1着じゃおしゃれとは言えないでしょ?」

「そうだね・・・あたしも買い物したい!それで見返す!」

「見返すのは偏屈部長?それとも・・・男?」

「エ、エリス部長に決まってるでしょ!!!」

「そ、それなら良いけど。」