「交換ノートだ。」「そう、おばあちゃんがちょうど咲ちゃんくらいの歳の時に、大切な人としてた交換ノートなんだよ。」
咲は黙ってページをめくっている。きっと次に私が言おうとしている言葉がわかっているのだろう。私は空を眺めて、
「すごく大切な人だった。もう会うことはできないけどね。」
咲は真剣な顔で交換ノートを見ている。私も空を眺めながら話を続けた。
「この空のどこかにその人がいるんだよ。姿は見えなくても、声は聞こえなくても、ずっと見守っていてくれてる。」
「本当に大切な人なんだね。」
咲は少し泣きそうな顔になっていた。