「わりぃな。
俺には心に決めた奴がいるんだよ」
「またそんな嘘を〜☆」
マジで殴るぞお前。
「てことだからもう俺には付き纏うな。
お前にはもっとお前に似合う奴がいる」
そのキモい猫なで声に引っ掛かってくれる安いネズミくらい山ほどいんだろ。
お前みたいな人間のカスよりも、ウサギの方がめちゃくちゃかわいいんだっつーの。
さすがに懲りたのか、足を止めてもう何も言わなくなった加藤梓。
俺は気にせず、のうのうと足を進めて行った。
この時、加藤梓が
何を考えていたかなんて
全く知らずに……―。
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