「もおしかして〜…彼女??」
そう言って俺の顔を覗き込む加藤梓。
「お前には関係ねぇし」
目も合わさず足を進める俺。
「あるよお〜だってあたし咲虜君のこと好きだもん!!」
ハイハイそれはどうも。
「ホントだよー??」
俺の歩く速度に合わせて横に並ぼうとする加藤梓。
その行動が余計俺を苛つかせる。
「咲虜君は知らないだろうけどね、あたしと咲虜君がお似合いだとか、実は付き合ってんじゃないかとか言う噂、結構流れてるんだよ??」
「ああ。
全く知らねえな」
「だからあー、もお勢いでさ、付き合っちゃおうか♪」
「……」
俺は足を止めて、加藤梓を見下ろす。
計算された上目遣い。
こいつがモデルでなかったら、多分俺は確実に、こいつを殴っていただろう。
鬱陶しいにも程がある。