――――ダンッ!!


壁を叩く鈍い音。


その音に体中がビクッと反応する。


愁哉さんが怒気を含んだ顔であたしを見つめた。


「あなたとは、どうやっても相容れないらしい。僕を軽蔑するのは構わないが、彼女を侮辱しないでもらえるか」


愁哉さんは左手で壁を殴りつけたまま、あたしに冷たい声を放った。


皮肉なものね、


やっとあなたの敬語じゃない口調、それに感情のこもった瞳が見られたのが


もう二人の終わりを意味するなんて。