今でも覚えていますわ。 愁哉さんを紹介された日の事。 父様があたしに紹介するという事は将来有望で気にかけている証。 あたしはその人の綺麗な顔立ちとそれに似合う冷たい雰囲気、レンズを挟んだ理知的な瞳。威圧的な声に圧倒されてしまっておどおどしていた。 だけど 一緒にいた義姉さん、―瑠香さんは、 彼、愁哉さんを真っ向から見つめた。 恋が始まるのをあたしはそばでみていたのね。