「は、…はい」

冴木さんは動揺を隠さず強張った顔で息を吐く、それをすぐに吸い込んで眉を潜めた。


「冴木…」


後ろから、愁哉さんの声がする。彼はこの状況をどうやって切り抜けるのかしら。


彼はあたしの存在を見つけて、一瞬だけ眉を上げた。

冷たい瞳。


無機質な表情。


それなのに、彼女を見つめる瞳は穏やかで、


この場に邪魔なのは



きっと私。


さっきまでの期待は消え失せて


鋭い痛みが体を駆け巡って、指先が少し震えた。