* * *
あたしは愁哉さんのマンションへ向かう。
昨日の彼の感情を見つけに。
熱い瞳があたしの脳裏から離れない。
もしかしたら、
もし、愁哉さんの感情が少しでも分かれば、あたしと愁哉さんの関係は変わるかもしれない。
そんな期待を胸に、あたしは前を見つめる。
彼の意識が垣間見えた気がして、嬉しかったんだ。
ここに来たのは初めて。合い鍵も持ってない。頂きたいと言える程強い立場なのだと思った事がなかったから。
あたしは、馬鹿ね。
欲しいと言えば手に入ったものもあったかもしれない。
だから、もしかしたらこれが愁哉さんのマンションに来るのも
最初で
最後かもしれない。
期待と、不安。
向き合わなければ、届かないのでしょう?