あたしを送る為、愁哉さんは車に乗り込む。父との付き合いもあるでしょうし、構わない、そう言った所で聞く人じゃない。全て義務だから、あたしには、きっと。 「…知り合いでしたの?」 揺れるネオンを眺めながら沈黙の車内にあたしの小さな声が落ちる。 「ええ。何度か彼女の店に社長とご一緒させて頂きましたから」 彼はまるで事も無げに言う。だからあたしも 「愁ちゃん、彼女を抱いたのね」 興味のない事の様に言った。