息が詰まる。


下らない自慢話、知りもしない会社の話に博識ぶる女性。しなだれかかる艶やかな手を甘んじて受ける父。


あたしは微笑を絶やさぬまま二人を眺める。


父中心に回るこの関係は端から見ればさぞ滑稽だろう。


連れて来た女の人は初めてじゃない。結婚相手にスナックのママ、ホステスに舞妓さんに秘書。添えるだけの女性達。


彼女も、そうね。スナックのママ、それとも高級クラブのホステス。


来月、ううん、来週には隣にはいないわね。


あたしはひどく冷静にお茶を啜った。