「お仕事中だったんでしょう」
あたしは急に自己嫌悪に襲われる。いくら風が気持ち良かったからって外で昼寝なんて、本当に、無防備すぎるわ。彼の手を煩わせた事が申し訳ない。
この若さで地位のある役職についた彼が忙しくない筈がないもの。
「構いません。あなたの方が大事ですから。」
甘い言葉。愁哉さんの口調は素っ気なくて、感情など感じさせないのにあたしは一喜一憂してしまう。
そして益々恐縮したあたしを愁哉さんは眉を上げて珍しそうに眺めると
「海外に行っても変わりませんね」
と少しだけ笑った。
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