「“菜子”って名前の意味、
まだ言ってなかったわよね?」



「意味なんて、あるの?」





初めて知った事実。


思わず聞き返すと、
にっこり笑って頷いた。




「“菜の花のようにまっすぐ、
芯のある強い子になりますように”」




お母さんの口から飛び出た、
あたしの名前の由来。



意味をきくと、この名前が
すごくいい名前に聞こえた。




「すごーい。
そんなの考えるのすごいね。お母さん」


「お母さんじゃないわよ?」



「え? じゃ、誰が・・・・・」





アルバムを中途半端に開いたまま、
お母さんを見つめた。











「お父さんよ」