財布の中身を心配して、 家に取りに入るかまで考える。 考え込むあたしにしびれを切らしたのか、 もう1度譲輝くんは唇を震わせた。 「さっさと出せって、」 「携帯」 ・・・・・・、ん? 「え、携帯?」 「ほかに何があんの?」 眉をひそめながら首をかしげ、 まるであたしが変な人みたいな目で見てくる。 これが軽蔑の眼差しなのか? 「早く出せって」 「は、ハイ!!」