「あ、ここだよ」




あたしの声に反応して、
譲輝くんは自転車にブレーキをかけた。




自転車は、
ちょうど門の前で止まった。



二台から降りると、
譲輝くんは鞄を手渡してくれた。




「ありがとうね。色々」


「いーえ」


「もう、こんなに暗くなっちゃたね。
ごめんね? あたしの所為で・・・・・・」


「謝んなくていいから」





そう言うとなぜか。


譲輝くんは掌を上にして、
あたしに手を突き出してきた。




・・・・・送り代金?




「えと、・・・・・・何?」


「決まってんだろ。出せ」



あぁ、やっぱりお金をせびられてる。





どーしよ。
あたし、今1000円しかないよー・・・・・