「はぁ、はぁっ・・・・・・」




たどり着いた遊歩道。



周りを見渡して、
青いアヒルのベンチを探す。




譲輝くんのばか。


譲輝くんがそんなんだから、
あたしこんなにおかしくなっちゃう。




何も出来ないなんて嘘。



『アンタの言葉は、親父さんに届くよ』



どん底まで落ちたあたしを、
引っ張りあげてくれたのは譲輝くん。



意気地なしなあたしの涙を、
ゆっくり引き出してくれたのも譲輝くん。





酷いことを言ったのはあたしなのに。



『“偽者のセリフ”は聞きたくない』



そんなこと気にしてない。

譲輝くんがあの時いてくれたから、
気にすることもなくなった。




あたしのばか。

何で気付かなかったの?


こんなにもあたしの周りに、







―――――譲輝くんが溢れてる事に。