しばらく何も聞こえなくて、
少ししたら斎藤君の笑い声が聞こえた。





「あはは! ほらね。
大丈夫だって言ったでしょ」




携帯をあたしの手に戻し、
ぽんぽん肩を叩く。




「譲輝のバイトの休みの日ね。
今日になったんだよ。だから・・・・・・」




その先の言葉を聞かなくても、
あたしは今すべき事がわかった。




「ありが、とっ」





まだ眼に涙を残したまま、
斎藤君に背を向けて走り出した。








今、今行くから。









「何千人も読者がいんのに、
たった1人にだけ宛てたラブレターか。

・・・・・やるねぇ、ゆずきちゃん♪」