急用とかそんなんじゃなくて、
来たメールはただのメルマガ。




そのまま読まずに閉じようと思ったけど、
そのメルマガの送り人は







――――“柚木モモ”だった。








ここ最近ずっと
姿をあらわさなかった“柚木モモ”。




「ごめん。ちょっと読んでいいかな」



斎藤君に断ると、
笑顔でこくこく頷いた。





震える指を必死に定め、
受信メールを開ける。




【新作通知】




メルマガの題名。


ごくりと唾を飲み込んで、
画面を下へとやっていく。



綺麗な言葉が並べられた文章。
久々の感覚に少しほっとする。




全部読み終え、
はやる気持ちを押さえる事が出来ず、




新作を読み始めた。