ぽそりと放たれた言葉。




その言葉は今のあたしにとっては、
攻撃力が強すぎる。



何も言えなくて、
ただ鞄をぎゅっと握り締めた。





「やっぱり、菜子ちゃんか」




1人ごとのような、
そのくらい小さく呟いた斉藤君。




「やっぱりって?」



不思議に思って、
首をかしげて眉を寄せた。




「譲輝さ、今日元気なかったんだ。
つーか、空気が重いっつの?

なんかこっちまで陰気な気分になってさー」



「はぁ・・・・・・・」


「で、理由を聞いたわけ」





いきなり歩みを止めた斉藤君。




振り返ってみると、
またあたしに人差し指を突きつけ






「“嫌われた、かも”」