何か言おうと唇を震わすと、
あたしの鼻先に向かって刺された人差し指。





「話は、帰りながらゆっくりしよう」





その提案に、
あたしは頷くしかなくて。



朝であったばかりの人と、
肩を並べて帰ることになった。




「あの、えっと・・・・・」


「あー、斉藤です」


「斉藤君。あの、
譲輝くんのこと知ってるの?」




見慣れた帰り道。



派手な髪を風になびかせ、
斉藤君はまたにっこり。




「まぁ、一応付き合い長いし。
俺は勝手に親友とか思ってるしね」



「そっか・・・・・・・」




2人だけの秘密だと思ってたけど、
あたしの思い過ごしだったみたい。




何故かショックで、
視線を地面へと落とした。






「譲輝とケンカした?」