「ちょっとっ!

痛いってば!

離しなさいよっ!」


両方向から引っ張られて

さすがに痛かった私は

つい、いつもの調子で

天使に怒鳴っていた…


(う~、だってかおるー

こいつら絶対

酷いことするぞーっ!)


さやかとあかりは

一瞬

大声を出した私に

面食らっているようだった

そうだよね

いつもは

2人が怖くて、黙って俯くだけだったから。

それに

さやかにも

あかりにも

天使は見えてないんだ。



「はぁ?何言ってんの!

来いっつってんだから

言うこと聞けよ!」


さやかはそう言って

私をトイレに引っ張りこんで

奥の壁に追い込んだ。

後ろから

あかりも入ってくる