その時

「藤田ーー」

名前を呼ばれた。


教室のドアの所に

ハルキくんがいた…


私は、

さやかたちの方は見ないようにして

ドアの方に行った

あの2人が今、どんな顔をしてるかなんて

怖くて見れないよ。



「ハルキくん、どうしたの?」

話を聞かれないように

廊下まで出て喋る。

「今日、午後あいてるかなーって。

トモキ連れて公園行くから、

天使も一緒にどうかなって思ってさ。

っていうか

トモキが一緒に遊びたいって聞かないんだけどな」


えっと…どうしよう。

もう冬休みとはいえ、

2人で遊んでるとこ見られたら

三学期から

もっと酷いことされるのかもしれない…。



迷ってると

頭上から声が聞こえてきた。

「本当かーーーっ!

行くぞ行くぞ!

かおるーっ

行きたいぞーっ」


「あーっ、天使!

あんた、やっぱり勝手に学校に!」

ハルキくんには天使の姿が見えないけど

私が上のほうに話しかけてるから

天使のいるであろう

上をキョロキョロ見ている

「だってーっ

何か、教室にいる美人の2人が

今朝も上履きをゴミ箱に入れたぞーっ」


「やっぱり…」

簡単に想像できてたことだけど

事実を知ると

やっぱりショックだった



「ボク、ちゃんと拾って

元に戻したけど

あいつら酷いぞーっ」

ビシーッと

教室の中にいる

さやか達を指差す天使。