「どうせ、お前が言い出しっぺだろ?ほのちゃんは絶対そんなこと言わないような感じだし」


「バレたか」



咲哉は笑った後にコーヒーを一口飲んだ。


バレバレなんだよ!



「でも、瑞樹が手を出さなかったとはなぁ……珍しいな」


「な、何だよ」


「高校、大学とお前の女性遍歴を知ってる俺としてはな…」



咲哉が俺をチラッと見てニヤッと笑った。



「俺も大人になったんだよ」


「三十路になってやっとか」


「うるせー!」



俺たちは笑い合った。