「ハルのことなんだけどな……」


「やっぱりな。香月がどうした?浮気でもされたか?」



マグカップを2つ持って、机に帰って来た咲哉が鼻で笑いながら言った。


机にコーヒーの入ったマグカップが置かれる。



「ちげーよ!俺らはラブラブなんだよ!」


「じゃー、何だよ?」


「俺がハルの家に挨拶に行ったことは話したろ?」


「あぁ」


「昨日、ハルに俺の両親に挨拶したいって言われたんだ……」


「……で?」



咲哉はコーヒーを一口飲んだ。



「俺、両親にはハルのことを話してないんだ。だからハルから言われた時にはビックリしてさぁ……」



俺はマグカップに目線を落として言った。