「ハル?お母さんね、ハルが先生のことを好きだって知ってたよ」
「えっ?」
ハルは顔を上げて、お母さんの顔を見た。
「ハルの母親を何年してると思ってんの?ハルの態度を見てたらわかるわよ」
ハルのお母さんが笑いながら言った。
「お父さんは気づかなかったなぁ……」
「男の人は鈍感なのよ」
ハルのお母さんがクスッと笑う。
「ハルが彼氏がいる言った時には、もしかして……と思ったけど、お母さんは先生のハルに対する気持ちは知らなかったし、中学を卒業して先生には会ってなかったでしょ?だから先生が玄関に立ってた時にはビックリしちゃった」
あぁ、それで目を見開いて俺を見たんだ。
「好きな人を想い続ければ、奇跡が起こることもあるのね」
ハルのお母さんがハルを優しく見つめながらそう言った。