リビングへ通された。
リビングにはハルのお父さんとお兄さんとその彼女がいた。
ハルはキッチンに立っていた。
ハルの方を向くと、ニコッと笑顔を見せてくれる。
俺もハルに笑顔を見せた。
「突然、お邪魔してすいません。あの、これ、つまらないものですが……」
俺はそう言って、ケーキの箱をハルのお母さんに渡した。
「気を遣って頂いてすいません」
ケーキの箱を受けとるお母さん。
「いえ……」
ハルのお兄さんと彼女は「カッコイイじゃん」とか「この人がハルの彼氏かぁ…」なんて言ってる。
でも俺が教師だってわかってるハルのお父さんはお母さんと同じように驚いた顔をしてた。