車を運転してる時も"ドキドキ"していた俺の心臓。
ハルの家の前に着いたら更に"ドキドキ"して、試験前のような変な緊張感があった。
震える手で呼び鈴を押すと、中からバタバタと走って来る音が聞こえた。
ハルが出て来ますように……。
そんな願いも虚しく、出て来たのはハルのお母さん。
「先…生……」
そう言って、目を見開いて俺の顔を見ているお母さん。
そりゃそうだろう。
ハルが何て両親に言ったのかわからない。
だけどハルの中学の時の教師が目の前に立ってるんだから。
「あの……もしかして……」
「こんにちは。ご無沙汰してます」
笑顔で挨拶する俺。
でも多分、顔は引きつってるはず……。