―瑞樹Side―



スーツを着て、ハルにもらったネクタイを締めたとこで携帯が鳴った。


携帯を開くとハルからのメール。



【先生、お父さんたち帰って来たよ。いつ来ても大丈夫だよ】



いよいよだな。


あぁ……緊張する。


姿見がないからリビングの窓で全身を映して最終チェック。


ハルには【これから行くから。20分くらいで着くと思う】とメールした。


手土産は何を持って行けばいいのかわからなかった。


ハルに聞けば良かったと後悔した。


咲哉にメールで聞いたら【何でもいいんじゃねぇの?】と頼りない返事がきた。


だから美味しいと評判のケーキ屋でケーキを買った。


冷蔵庫からケーキの箱を取り出して、アパートを後にした。