「実はね……うちの子、生まれつき耳が聞こえないの」 えっ? 耳が聞こえない……。 私は目を見開いて彼女を見た。 「先天性聴覚障害」 私と同じだ……。 「きっと…中学の時に香月さんをイジメてた罰が当たったのね」 そう言った彼女の目から大粒の涙がこぼれ落ちた。 私は首を左右に振った。 「香月さん……ゴメンね……」 泣きながら謝る彼女。 私は彼女を抱きしめていた。 震える背中をそっと撫でた。