水族館に隣接している海の見える公園のベンチに並んで座った。


浜辺には誰もいない。


ただ海がどこまでも続いているのが見えるだけ。



「香月さん?」



吉川さんが肩をポンポンとしてきた。


私は吉川さんの方を向いた。



「川瀬先生と付き合ってたんだ」



吉川さんが笑顔を見せる。


私は鞄からメモ帳とペンを取り出した。



『今年のクリスマスイブに偶然再会して……それから……』



そう書いて吉川さんに見せた。



「そうなんだぁ!」


『うん。でも吉川さんが結婚してたなんてビックリした』


「うん。彼とは高校の時に知り合ったの。彼ね、父親の会社で働いてるの。私の一目惚れ」



吉川さんはクスッと笑った。



『旦那さん、カッコイイもんね』


「そうね。性格も優しいし」



旦那さんのことを話してる吉川さんは凄く可愛いと思ってしまった。