「これからどこ行く?」


『もう20時だね…
お母さん心配だから、
もう帰ろうかな…』




美依のお母さんは癌だった。


美依はとても家族思いで
優しい子だった。



「わかった、送るよ。」


『いいよ、凌は早く帰って
美波ちゃんの世話しなくちゃ駄目でしょ??』



美波ちゃんとは、
俺の妹で
俺の12歳下。


俺の両親はいないから、
俺と美波で生活していた。
たまに親戚のおばさんとかが来るが、
掃除などをして帰るくらいで、
月に2、3回くる人だった。