男の人は、あたしに手を差し延べてくれた。


「ありがと…ございます。」


暖かくて、大きくて、安心出来る手だった。


「お前…俺と同じ高校だな。」


「へ…?あ、はい。」


「何かお前危なっかしいから、一緒に行くぞ。」


あたし達は、2人、よそよそしく、通学路を並んで歩いた。


悪い人じゃないみたい。


あたしは安心していた。