「……なんで? 」



イキナリそんなこと出来ないよ。




「恋にしろ、違うにしろ、涼さんに近づきたいんでしょ? 」




箸を指揮棒のように振り回しながら話す夏は、とても楽しそうだ。




「でも……」



「どちらにしろ隣人なんだから、仲良くしておいた方がいいじゃない」



もごもごとしている私にイライラしたのか、萌歌は真顔で言った。



「とりあえず、話しかける!! 」



2人はとっくにお弁当を片付け終わっていた。



まだ、おにぎりが一個残ってるのに……



もったいないなぁ。



仕方がなく、お弁当を片付ける。



「由姫、頑張れ!! 」



萌歌はとびきりのスマイルを私に向けた。





………



……………頑張ってみるよ!!