さっきの一輝と別れたところには誰もいなかった。
俺は適当に歩き一輝を探したが・・・学校でどこにいるか分からないヤツを探すのは無難だろう。
先に部活行ったか??
あいつは先にいくようなヤツじゃないしな。
俺は一輝に電話を掛けようと携帯をカバンから取り出すと・・・。
--着信履歴2件
2件ともさっきの知らない番号からだった。
きっと番号を間違えているのであろう。
すると、携帯のバイブが鳴った。
またか??と思い電話に出ると・・・
「もしもし??」
返事がない。。。
なんだ、いたずらかよ!!
そう思い電話を切ろうとすると・・・
「『誰だ~!!』」
携帯と背中の後ろから同じ声が聞こえた。
それと同時に後ろから誰かに抱きつかれた。
「・・・歌凛だろ??」
俺は後ろを振り返ると目の前に手で×の字を作っている歌凛が見えた。
「ブー!!声は私だけど抱きついているのは一輝で~す☆」
「俺で~す☆」
一輝が俺に抱きついたまま顔を上げニッコリと笑う。
その一輝の顔を俺は手で遠ざけ、俺から引き離す。
「ね!?驚いた??」
歌凛は目を大きく輝かせて俺を見上げる。
「あぁ・・・歌凛さ、この番号知ってる??」
俺は、さっきからかかってきてる知らない番号を歌凛に見せる。
歌凛は誰だろう??と自分の携帯と見比べていた。
一輝は俺にもたれかかり、「俺への愛情が足りないから分からなかったんじゃない??」と真剣な顔で話す。
「元々ない。」
俺がそう言って一輝の頭を軽く叩くと、一輝はいじけた顔で「ひど~い」と騒いでいた。
「私の知ってる人じゃないみたい。」
歌凛は俺の携帯を一輝に渡す。
一輝も調べてくれたが知らないようだ。