・・・・・・。
電話に出ても返事がなかった。
「ど・・・どう??」
歌凛が俺の制服を掴み怯えながら尋ねる。
俺は返事がないと首を振るとー・・・
「ぁ!!繋がった!?」
携帯から明るい男の声が聞こえた。
「ぇっとー・・・誰ですか??」
「君・・・騎士って名前だよね??」
俺の質問を無視し俺の名前を言った男。
声から20~30代であろう。
「違います。」
「ずっと電話してるのに繋がらないから心配したよぉ。騎士クン部活から帰宅途中??」
この男は人の話を無視しやがって(怒)
「だから騎士じゃなくて・・・」
「それで用件なんだけどー・・・」
このぉ~!!また無視かよ!!
男は俺がイラついているのが分かったのか・・・。
「ぁわわ・・・電話切らんで!!俺は怪しいモノじゃないから!!」
十分怪しいですよ。
隣で盗み聞きをしている一輝と歌凛も頷く。
「それで用件は本当は今日する予定だったけど、なかなか出てくれなかったから明日に変更で・・・明日お昼に学校に迎えに行くから♪」
・・・は??
明日学校に迎えに来る??
「頭大丈夫ですか??」
酷い言葉だが、この男は頭がイカれてる。
明日迎えに来る??誘拐宣言??
携帯の向こうでは男は大笑いをしていた。
さすがにムカついた俺は通話を終わろうとしたら・・・携帯を誰かに奪われた。
と言っても犯人はすぐに分かる。
「あなた誰!?」
「お前誘拐犯かよ!!」
歌凛と一輝が俺の携帯に叫んでいた。
叫んでいた2人は男が何か言っているのか静かになり・・・。
「それじゃ・・・さようなら!!」
と仲よさげに別れをしていた。