ケンの言葉を素っ気無い態度で返す。


「アリサ!どこ行きたい?」


「どこでもいい…。」


「じゃあ、ホテル!」


「は?無理!」


「ウソだよ!本気にした?」


機嫌の悪いあたしを明るくさせようとしているケン。

でも、全然楽しくなくてむしろ、余計に寂しい。


「何かあった?」

運転するケンはあたしを覗き込むけど、


「別に?ケンには関係ないし。」


「好きな女が哀しい顔してたら、こんな俺でも気になるって!」


ごめん。ケン…。
いつも良い様にばかり使って。


でも、今はどんなに笑いたくても、笑えないんだ。