ギョギョッ!

サーッと、血の気の引く音がした。

あたしの顔も、岡本くんみたいに青いかも知れない。

だって、ねえ…ブラックオーラ全開の淳平が、あたしたちの前にいたんだから。

顔は笑っているけど、目は怖いくらいに笑っていない。

むしろ、岡本くんをガン見している。

い、石になるぞ、こりゃ。

岡本くんは青い顔のまま、動かない。

まさか、本当に石にされちゃったの!?

ふと、あたしは思い出した。

「あ、書類!」

あたしは手に持っていた書類を差し出すと、
「課長、遅れてすみませんでした!

書類です!」
と、頭を下げた。

東雲主任から書類を届けるよう頼まれてたんだ。

すっかり忘れてたよ〜。

のん気に雑談かましてる場合じゃなかった〜。

あまりにも情けない自分の行動に、あたしは泣きそうになった。