「か…なた?」



ねえ彼方


そこにいるんでしょ?





私が発した声はあまりにも小さすぎて
彼方には届かなかったかもしれない





だけど
それ以外に




…いつからだろう



私達の間にこのカーテンのような薄い壁があるような気がするんだ






そう…つい最近


てか今日





私の知らない彼方を


あの双子ちゃんは知っている…






それがずっと心の奥に溜まっていって


どろどろと黒いものになって蝕まれていくようで…





怖い




ねえ、彼方




助けてよ





私をこの変な闇から引っ張り出して…