「そう、なんだ。」
やっとしぼり出した言葉に、ハヤトはうなずいて。
「えっと、ほら、オレんち色々あったけど、お前んちには本当にお世話になったから、そのなんていうか、幼なじみで、家族ぐるみで仲良くしてくれたしさ。」
「そんな、そんなこといいのに、それに今、お父さんも、お母さんもいなくて。」
「うん、いいんだ。ほらけじめっていうか、一応そのお礼っていうか。」
「とりあえず、あがって。」
そんなあたしの言葉に、ハヤトは首を振った。
「いや、もう施設の人が迎えに来てるから。」
そう言って外を見たハヤトの視線の先には、スーツに身を包んだ中年の男性と若い女性の姿があった。
「え?今日、今、行っちゃうの?」
「うん。」
ハヤトは頷いて、ポケットに手を入れると、一枚の小さな紙片を取り出して、あたしに差し出した。
あたしがそれを受け取ると。
「施設の場所と電話番号、パソコンもあるらしいから、メルアドも書いといた。」
そう言って、微笑んだ。
ホッとする気持ち。
でもなんだろう、この変な気持ち。
言葉に出来ないこの気持ちは。
「じゃあな。おじさんとおばさんにも、よろしく。」
そう言って、たたずむあたしに手を振りながら。
ハヤトの背中が、閉じる扉の間から少しずつ消えていった。
やっとしぼり出した言葉に、ハヤトはうなずいて。
「えっと、ほら、オレんち色々あったけど、お前んちには本当にお世話になったから、そのなんていうか、幼なじみで、家族ぐるみで仲良くしてくれたしさ。」
「そんな、そんなこといいのに、それに今、お父さんも、お母さんもいなくて。」
「うん、いいんだ。ほらけじめっていうか、一応そのお礼っていうか。」
「とりあえず、あがって。」
そんなあたしの言葉に、ハヤトは首を振った。
「いや、もう施設の人が迎えに来てるから。」
そう言って外を見たハヤトの視線の先には、スーツに身を包んだ中年の男性と若い女性の姿があった。
「え?今日、今、行っちゃうの?」
「うん。」
ハヤトは頷いて、ポケットに手を入れると、一枚の小さな紙片を取り出して、あたしに差し出した。
あたしがそれを受け取ると。
「施設の場所と電話番号、パソコンもあるらしいから、メルアドも書いといた。」
そう言って、微笑んだ。
ホッとする気持ち。
でもなんだろう、この変な気持ち。
言葉に出来ないこの気持ちは。
「じゃあな。おじさんとおばさんにも、よろしく。」
そう言って、たたずむあたしに手を振りながら。
ハヤトの背中が、閉じる扉の間から少しずつ消えていった。