涙は、出なかった。

ハヤトのお葬式は、本当に簡素なもので。
ハヤトのお父さんも、お母さんも。
親族さえも。
出席することがなく。
ハヤトの学校の担任の先生と。
生徒の代表がふたり、やって来たくらいで。
あとはハヤトがお世話になっていた、養護施設の職員の方達が。
なんとなく忙しそうな素振りで、お葬式を取り仕切りながら、動き回っていた。

中二になったハヤトの周りにあった人間関係を、まざまざと見せつけられたような気がして。
あたしはなんだか切ない感じがしていた。