私立のお嬢様中学校。
あたしは中二になっていた。

ハヤトにもらった紙片は、自分の部屋の勉強机の引き出しの中に入れたまま。
取り出すのは、年に一度になっていた。

きっと、心のどこか片隅で。
抑え込みながらも。
ハヤトのことが、気になっていたんだと思う。

新しい始まり。
すべてが浄化されるような、そんな日に。
印刷された、なんの味気もない形式的な年賀状が。
ハヤトの元へ届くように。
あたしは施設のハヤト宛に、年賀状を送った。

でもハヤトからは、年賀状のお返しは来なかった。