蜂蜜を少しだけ混ぜたホットミルクは麗のお手製で、牛乳嫌いのあたしのために、毎朝麗が淹れてくれる。
「いつもありがとう、麗。日曜日だし、麗も今日はゆっくり休んでね」
「私はいいのです。お嬢様の執事ですから…。何か行きたい場所があればお供致します」
行きたい所…か。
「…なら、麗の行きたい場所がいい。あと麗のしたいこと。それなら麗も楽しめるよね」
麗の好きなことが知りたいっていう下心もあるけど。
すぐに困った顔をした麗に、慌てて「麗が迷惑じゃなければ…」と付け加える。
「では、私服に着替えて参ります」
後ほど、と言いながら燕尾服を着替えに戻った麗を見送り、あたしは嬉しさのあまりベッドに飛び込む。
麗とデートだ!