麗がすき。
麗の特別になりたい。


そう思い初めてから、麗と過ごす一日一日はひどく短いものになった。

ステラを口実に麗の部屋を訪れてみたり、いつもは使用人に任せていた髪型を自分で結ってみたり。

朝一番に会いに来る麗に、少しでも可愛い自分を見て欲しくて、早起きしてメイクしてみたり。


あたしの一日はいつも麗が中心になった。



「お嬢様、今日は日曜日ですし…、ごゆっくりなさってくださいね」

麗はいつも通りの柔らかい微笑みを浮かべながら、マグカップに湯気の立つホットミルクを注ぐ。