自分に深く言い聞かせ、いつも通りに振る舞う。
自然に、
自然に。


深呼吸して部屋に戻ると、麗は用事があると言い部屋を出て行った。


一人になったとたん、どっと疲れが出た。
思わずベッドになだれ込み、さっき自分に起こった事態を呑みこむ。


…麗が、すき。
でも、これ以上すきになっちゃいけない。

大丈夫。
麗はただの執事。


そう自分に言い聞かせて、気分を紛らわせようと枕元にあるウォークマンを手に取った。

流れてくるありきたりな恋の歌に耳を預けているうちに、あたしは睡魔に引き寄せられていった。