麗が現れた事で、それまで喋っていた彼女たちは一斉に静まり返る。
麗に見惚れている彼女たちに、麗は「失礼します」と小さく会釈し、あたしの手を取った。
元来た道を並んで歩き、あたしは高鳴る鼓動を抑えきれずにいた。
「お嬢様が学校へ行かない理由は、ご主人様から伺っておりました」
「…だからって、ついてきてたの…?」
「申しわけありません。如何なる事からも、お嬢様をお守りするのが私の役目ですから」
繋がれた手が熱い。
速まる鼓動に、あたしは小さな答えを見つけた。
必要以上に麗が気になるのは、
麗を好きだと思ってしまったから。